不完全存在の掃き溜め

物語などについて思ったことを自己満で吐き出す場

『金色ラブリッチェ』感想【記事後半ネタバレあり】

今年のバレンタインは一人で出かけ、金色ラブリッチェと予約していたホワルバ2を購入して終わったとらっどです。

まあ、そんなことはどうでもよくて早速本題へ。

 

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完走しました!!

 

予想をいい意味で裏切ってくれたという感じですね。後半ほとんど泣いていた気がする…

プレイ時間は正確に測ってはないですが35時間ぐらいだったと思います。

 

特にサガプラを信頼しているというわけでもなく全く買うつもりもなかったんですが、発売から数日後にTwitterでよく見かけ気になったので某空間へ。そしたら88点でびっくりしたのを覚えています。まあ、発売直後だし信者が高評価してるだけかなと思いさらに様子見。しばらく経っても86点だったので購入を確定しました。発表当初、喫煙だ金髪だなんだで話題になってた作品がここまで化けるとは思っていませんでしたね…

f:id:trad0605:20180225155152j:image(発表当初のフォロワーさんとの空リプでのやり取りの一部)

手のひら返すのはオタクの得意技ですからね。

 

 そんなこんなで購入したわけです。サガプラははつゆきさくら読んで以来触れてなかったですね。(友達から借りて1ルートだけやって積んでるカルマルカから目を逸らしながら。)

シナリオゲー主食なので離れていたわけですが、そんな中サガプラがシナリオで殴りにきてくれたのはとても嬉しかったですね。このシナリオゲーが減ってきている現状でサガプラという大手がシナリオが評価されるゲームを作ってくれたのはとても嬉しかったです。シナリオがひこうき雲のさかき傘さんということである程度はいいシナリオを書いてくれるとは思っていたんですが期待以上でしたね。

シナリオ、キャラ、音楽、CGのどれも高水準で非常に完成度が高いゲームだと思いました。そして、泣ける。

 

では、まずネタバレなしで感想を書いていきましょう。(あらすじやキャラ紹介は省くんで公式サイトで見てください)

sagaplanets.product.co.jp

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ルートは全部で5つ。最初に選択可能なのはシルヴィ、玲奈、エル。誰か1人のルート終了後に茜ちゃん追加。全ルート終了後にGOLDEN TIME(理亜ルート追加)

理亜ルートがグランド扱いで各ルートに伏線が散りばめられていた。

攻略順はエル→茜ちゃん→玲奈→シルヴィ

ルートごとの評価は

理亜>シルヴィ>エル>玲奈=茜ちゃん

良くも悪くもシルヴィ、理亜以外のルートは普通のキャラゲーという印象。シルヴィルートは理亜ルートのための布石みたいな印象。普段推奨攻略順とか気にしないんですがこれからやる人はシルヴィを最後にするといいかも?

 

シナリオ

どのルートも金色、かっこよさの2つがテーマに書かれていた(かっこよさも金色に含まれている気がするけど強く感じたので別枠で)。主人公がかっこいいかと言われるとそうでもないと思っていたが全ルート終了した後は、お前は最高にかっこいいよって思えましたね。最後の最後に話が繋がったときには思わず「なるほどなあ」と声が出るほどに伏線回収が綺麗でした。日常会話もおもしろくダレることなく読めました。さかき傘の書く日常は個人的に好きなのでテンポよく読めました。最後まで読み終わったあとに心地よい喪失感を味わったのは久しぶりです。とてもすばらしかったです。

 

キャラ

メインが全員金髪でありながらどのヒロインにも魅力があった。特にシルヴィはシルヴィ以外のルートでも活躍していたイメージ。最終的に一番好きかも。男キャラにも魅力があったので、そこはさすがさかき傘といった感じ。各ヒロイン、イチャイチャ成分も充分あり満足。城ヶ崎は賛否ありそう。

えっちシーンはところどころ爆弾をぶっこんでいたイメージ。さかき傘の性癖詰め合わせみたいな感じだったがシーンの数が多く(当社比)性癖に刺さらない人も安心?

 

CG

文句なしで綺麗。水面が揺らいでいたりしてこれもポイントが高い。

 

音楽

BGMはどれも良かったですね。特にDokidoki Paradeが好きです。OPはムービーがめちゃくちゃ動いててすごいですね。曲自体は最初はそこまでささりませんでしたが今は大好きです。EDのshining our lifeがボーカル曲の中では一番好きですね。余談ですが2017年2chベストエロゲソングのランキング外でキレそうになりました。EDもいい曲多いのにOPのほうが評価されやすいですよね。

 

総括

シナリオとイチャイチャのバランスがよく、これぞエロゲみたいな作品でした。伏線回収がほんとうに綺麗で理亜ルートは完璧と言っていいほどの出来でした。こんなに泣いたエロゲは久しぶりでした。このルート、シナリオのためだけに買う価値はあるので泣きゲーやりたい人は買って損はないと思います。ただ、良くも悪くも理亜ルート以外は理亜ルートへの伏線があるぐらいで普通のキャラゲーといった感じなのでゴリゴリのシナリオゲーを想定して買うと「あれ?」となるかもしれないのでご注意を。それでも、個人的に2017年の作品の中では間違いなく1位の作品だと思いました。

 

 

短いですがネタバレなしの感想はここまでです。ネタバレなしで感想書くのって難しいですね。どこまで話していいのかがわからない…

 

ということでここから先はネタバレありで思いっきり書くんでプレイ済みかプレイする予定がない方のみでお願いします。あと、あくまで私個人の考えですのでよろしくお願いします。それではもう少し下から書き始めます。

正直、ここから先が本当に書きたかったことなので長くなりますがお付き合い頂けるとありがたいです> <

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて!

ここからが僕の書きたかったことになります。

もちろん理亜ルートの感想ですね。これを書くためだけにこの場を用意しました。とてもおもしろかったし泣けた理亜ルート。それと同時に色々と思うところがあったので書いていきます。他ルートの感想も書こうと思っていたけど理亜ルートのインパクトが強すぎて覚えてな…じゃなくてはやく書きたいので省略します。他ルートの感想も書けって言われたら書きます。

 

追記

感想って題してるのに各ルートの感想ないのはさすがにまずいだろと思ったので少し書きます。(理亜ルートの印象が強すぎてあんまり覚えてない状態で書いてるけど許してください。)

 

シルヴィルート

シルヴィというキャラクターがとても魅力的だったので個人的に理亜ルートの次に好きでした。理亜ルートへの伏線が一番多かったイメージ。一番気になったのは、過去のことでソーマくんが女だと知ってからイチのこと好きになったってことでいいですよね?昔から好きだったよってはっきり言ってくれないとわからないよ!!(童貞並感)

料理のマナーの選択肢でHシーン分岐があるなんて想像できなくてCG回収苦戦しました(怒)

 

エルルート

拙者恋人のフリから本当の恋人になるの大好き侍なのでとても良かった。

あと、とても実用性が高かった(個人的に)

エロイナはエロイな!!(使命感)

 

玲奈ルート

初えっちが衝撃的すぎるのと縞くんの印象しか残ってない。黒髪真面目遥そらが好きだったけど、こういうキャラもいいなって思った。

 

茜ちゃんルート

これ茜ちゃんが主人公攻略する話だっけ?って思ったのと告白のCGがとても綺麗だった。

 

こんなもんですかね…理亜ルートの印象が強すぎて他ルートの印象が薄くなってる。許してくださいなんでもしますから(なんでもするとはry

 

それでは本命の理亜ルート書いていきます。

これは他のルートでは一歩引いた位置から主人公の相談に乗っていた理亜の話。所々に身体が良くないと思われる描写、言い回しがあり「まさかね」と読み進めていた序盤、そして告白、拒絶…

つらい…もう読んでいてつらかった…

 

拒絶の理由は予想通り、自分の身が長くもたないから。自分では幸せにできないからと思っての拒絶…本当は主人公のことが好きなのに…

その後ようやく自分の幸せのために生きようと思い2人で残りの人生を歩み始めます。

この後はもういつ死んでしまうんだとハラハラしながら読んでいました。そんな中、理亜の

 

「オレを死ぬものだと思って見ないで。いまちゃんと生きてるオレだけ見てて」

 

というセリフはとても胸に響きましたね。

その後頑張って意識しないように読んでいきましたが…

 

つらい…本当につらい…

 

昔の約束を守るために命を使い切ろうとしている姿には涙しかなかった…

この後のダンスの後からはひたすら泣いていました。

約束を守るために無理をさせたことは正しかったのか。それとも止めるべきだったのか。これは私は正しかったと思います。かっこよく生きる。それがこの作品のひとつのテーマなのでかっこつけて見栄を張った選択でよかったと思います。ここで約束なんて投げ出して少しでも長く生きようなんて選択していたら評価がガラッと変わっていたでしょう。

そして、病院を抜け出して音楽堂でのシーン。もう満足したといい死を覚悟した理亜に主人公が「満足するな。まだ生きろ」って説得するシーンで号泣。

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 いや、泣くやろこんなん。この作品で初めて主人公をかっこいいと思えたシーン。そしてキュロちゃんの活用場所で驚きました。お前まだここにいたのかと。そんなキュロちゃんの手助けもあってのこのシーン

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泣いた…

もうめちゃくちゃ泣いた…もうここで物語が終わるんじゃないかって…終わってもいいやって…

泣きながら思っていたら本当にEDが始まり…

 

え?本当にここで終わるのって思っていたらEDの後…

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うわぁああああああああ

ひこうき雲方式かよおおおお

こんなんずるいわ…

 

まさかの退院…それでもひこうき雲で見た演出だったので長く持たないことはわかっていました。涙も枯れたのか落ち着いて2人の最後の1年を見ていましたがクリスマスのシーン…

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ああ…終わるんだな…

 

さすがにもう…って思ったと同時にこの話はとても共感できました。

ここから少し脱線しますが幸福というのはきっと死の直前にならないとわからないんだと。きっと本当に幸福な日常っていうのには気づけないんだと。なぜなら日常が幸福なときはそれを当たり前だと思って気づけないから。死ぬ直前に「ああ、あの時は幸せだったな」って初めて気づくものが本物の幸福なんだろう。

というのが私の中に考えとしてあるので共感しつつ涙を堪えていました。

 

そして、理亜の死は僅か1〜2文で葬式が行われたと書かれていたことのみ。

これもとても良かったと思います。

理亜が「人が死ぬ物語は嫌い。死んだら感動みたいなのは嫌いだ」と言っていたこともあり看取るシーンなどもなく直接的に死んだと書かれていないのはとても良かったと思います。これが普通の作品なら慌てて病院に駆けつけるシーンやベッドに寝ている理亜と最後の会話のシーンがあったことでしょう。この辺りはとても上手だなと思いました。なのでここで泣くことはなかったです。(その後の理亜の母とのやりとりはうるっときた)

問題はこの後のシーン…f:id:trad0605:20180225213602j:image

やめて…これ以上言わないで…

 

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 もう我慢できなかった…

ボロボロ泣いた。画面が見えなくなるまで泣いた(これを書きながらも泣いてる)

かっこよくあろうとした主人公が最高にかっこよくなれたシーンだと思った…お前はかっこいいよってすごく思った。

 

ここで終わらないのがこの作品のすごいところ。最後の最後に伏線を綺麗に回収していく。f:id:trad0605:20180225214840j:imagef:id:trad0605:20180225214854j:imagef:id:trad0605:20180225214910j:imagef:id:trad0605:20180225214924j:image

 最後の最後まで理亜がかっこつけてくれましたね。他のルートでも最初はシルヴィとくっつけようとしていたのはこの約束や自分の大好きな2人がくっついてくれれば自分も幸せだという思い、理亜の唯一の願いあってのものでしたね。そんな約束や願いがありながらも最後は主人公の幸せを思い、いつも背中を押してくれていたと考えるとさらに泣けます。そしてそんな理亜が自分の幸せのために生きたルートだと思うと…

 

そして、

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主人公たちが昔拾ったどこからか流れてきた箱。 これで全部繋がりましたね。湖が過去に繋がっているという噂話。ここは本当にすごいと思いました。こうやって繋がっているのかとただただ感動しました。

 

そしてシルヴィルートをもう一度やると…

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リアルで「わぁ」って声出ました。

もう理亜の願いが叶ったって思っただけで泣けます。なんならこのCGを理亜ルートの一番最後にも出してほしかった。そんなことしたら浮気だって荒れそうな気もしますが、それでも理亜ルートで理亜の最後の願いを叶えてあげたかったという思いもあるので難しいところ。まあ、どのルートでもこの光景は理亜が願っていたことなので良し!

 

そしてEXTRAを開くと…

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うわぁ…

もうどういうことか最初はわからなかったです。

驚きのほうがすごくて泣けませんでした。

なんで理亜が??どうして??という気持ちでした。

とても綺麗だしいいCGだと思ったし後からウルッときた。

でもね、正直な話、このCGを出すなら理亜ルートでやってほしかったです。クリスマスの前あたりにでも入れてほしかった…もしくはひこうき雲のラストのように写真という形でどこかで見つけたりしてほしかった気はします。そうでないと納得できないからですね。このCGはもしかしたらの可能性の話なのか、箱がループしていたからこんな未来もありえたという話なのか。私がこのCGをルート上で出してほしかったのはこれは本当に理亜なのかという話になるからです。これは本当にあの時間を共に過ごした理亜なのか。平行世界やifの可能性の理亜なのか。この平行世界やifの理亜というのは、共に時間を過ごした理亜とは別人だという思いがあるからです。

ここから少し脱線します。平行世界のヒロインの同一性の話です。平行世界のヒロインと共に過ごしたヒロインは同一人物なのか。私は一緒ではないと思っているんです。例えば今現在、平行世界が存在しているとして誰がそれを証明できるでしょうか。証明できなければ否定することもできません。もし、仮に平行世界が存在していて、そこで理亜が生きていたとしても、たとえ同じ結末を迎えていたとしても、それを認識することはできないからです。自分しか本当の自分という存在を認識することができないのに、認識できていない存在を本当に自分として認められるのでしょうか。はたして平行世界の自分やヒロインにあったときに両者が考えることは同じでしょうか。気持ちを読むことができるのでしょうか。これ以上突き詰めると自分という存在の話になっていってしまうので割愛します。まとめますと、もし仮に平行世界を認識し、平行世界から理亜を助けだして元の世界で結ばれたとしても、その理亜は本当に死んでいった理亜と同一人物なのかと思ってしまうということです。

このような考えがあったのでこの理亜を最初は素直に受け入れることができませんでした。

あとはやはり少し言い方が悪くなりますが、死んだ人は死んだままでいないとその死が無駄になってしまうと考えているからです。その死を乗り越えてこその感動があると思うからです。もし生きてあのCGのような結末があったとしたらやはり今回のような感動はなかったと思うし、それはやはり別の物語になってしまうのです。

私が読んだのは最初は主人公を拒絶し、それでも残りの時間を共に歩むことを決め、最後の時までかっこよく生きた理亜であるのでルート上でCGを出してほしかったです。もしくは日付を明記して理亜がまだ生きていたころの話だとわかれば、このCGでももっと泣くことができたと思います。

まあ、他の人は泣けたって言ってるので私の深読みのしすぎですけどね。

あとこのCGを生前のものだと言っている感想を見かけたのでそれは否定させてもらいます。f:id:trad0605:20180225224122j:image

 もともと結婚式にはと言っているので結婚式はしてないと思われるからです。結婚式は行わず、葬式の際に髪を渡したということかと。

 

色々と言いましたがなんだかんだでウルッときたしいいCGだったと思います。ルート上で出さなかったことによってより泣けるみたいなのもあるでしょうし。

 

ここまで長々と語りましたがとても素晴らしいゲームでした。はつゆきさくら以来のサガプラ作品、ひこうき雲以来のさかき傘作品でしたがとても満足できました。最初にも書きましたがシナリオ、キャラ、CG、音楽どれも高水準でエロゲとしての完成度が非常に高かったと思います。基本シナリオゲーのオタクですが、上の4つ全てが揃ってこそのエロゲだとも思うのでエロゲとして本当に素晴らしい作品だと思います。ここまで7000字近くお付き合いしてくださった方はありがとうございました。初めての感想記事なので読みにくかったりしたと思いますがこれから改善していきますのでよろしくお願いします。意見、改善点などあれば言ってもらえるとありがたいです。月一ぐらいで更新したいとは思っています。この作品について記事書いてくれなどの要望があれば書くつもりです。

なにかあればコメントかツイッター@trad_0605まで。

それではここまでお付き合い頂きありがとうございました。また次の機会にお会いしましょう。

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